dieci 208

Mar 06,2026

RAMRAM 5

RAMRAM 5
桑原雷太
2026.3.14 sat – 3.23 mon

紙を手で強くギュッと丸め、それをまた丁寧に広げていく。
そのくしゃくしゃになった紙の中で、インドの男のポートレートがいつもより血が通っているように感じられた。

インドでターバンを巻いているのは年かさの人が殆ど。
彼らの顔には長い月日を表す深い皺が刻みこまれている。
そして彼らが頭に巻くターバンは、カラフルな布が幾重にも重ねれられた、多層的で複雑なもの。
そのターバンを巻いた男の顔が、皺になった紙と不思議な一体感を醸していることに気づき、とても美しく感じた。
そして今回の展示の形が見えてきた。

インド北部のラジャスタン州にある小さな街、ブンディに通い続けている。

はじめは旅行者として、それがいつからか撮影をするために訪れるようになった。
理由はひとつ、ブンディにはターバンを巻いた男たちが多いからだ。
初めて訪れた時から、彼らの姿を撮ることに飽きることなく夢中になっていて、気づけば10年以上毎年のように訪れている。

彼らの多くは年かさのいった農夫で、顔には長年太陽を浴びてきたからか深い皺が刻まれ、ひょろりと細い身体に白一色の衣装を纏っている。
その姿と対照的なほど鮮やかな色とりどりのターバンが彼らの頭に巻かれているさまは、目を引く美しさがあり、いつも心踊らされてきた。

そんな彼らの写真を撮ることは、日本にはない非日常や、決定的瞬間をそのまま記録するためではない。
その美しさを最大限に写真に表現するため、白い背景を現地に持ち込み、撮影。
それはターバンの男たちに対峙したときの感動を視覚化する試みでもある。

RAMRAM( ラムラム)とは、インドの神の愛称で、北インドではその名前を呼ぶことが、人と人との接点をつなぐ日常の挨拶になっている。私自身も、彼らを撮影するときにその言葉を口にしてから撮影に臨んでいる。

同テーマでの展示は今回で5回目。

桑原雷太 ( kuwahara raita )
大阪市生まれ・在住
世界を旅するなかで写真に出会う。
毎年作品を撮るために世界のどこかへ旅に出ることを続けている

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3/14 ・15・ 16・ 23の4日間の終日、3/19は14時より桑原さんがご在廊予定です。
また、3/14 ・15・ 16・ 23はポートレート撮影イベントも開催予定です。
ポートレート撮影は事前予約制とし、本日3/6(金)20時より予約の受付を開始します。

dieci kyutaro
〒541-0056
大阪市中央区久太郎町2-4-13
Open 12:00-19:00/11:00-18:00(日祝)
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Tel 06-4256-4485
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